教場だより


目標を定めて new

2022年5月16日

 そろばんでは、普段の練習や検定試験、毎月のベストテン競技など様々な場面で具体的な目標を定めることができます。
 1級までは検定試験合格が最も具体的で定めやすい目標です。しかし、1級合格後の段位練習に入ると少し事情が異なってきます。 段位では新しい種目の開法さえマスターしてしまえば、特に新しい事柄があるわけではなく、すべて同一の問題で取り組んで、その得点で合格段位が判定されます。 ですから、1級合格が早ければ早いほど、長い期間、ずっと同じ事の繰り返しとなり、マンネリ化・停滞感を感じたりしがちになります。
 一口に段位といっても、80点で合格の準初段から280点で合格の十段までと非常に幅が広いものです。
 二~三段程度までは、それまでのやり方で頑張れば取得することができます。しかし、それ以上の高段位を取得するためには、計算方法の変更や改善、 運指・運珠の改善から数字の書き方に至るまで、様々な改善と洗練、冷静な評価に基づく、自分に合ったスタイルを確立するための、試行錯誤が必要になってきます。
 努力の割に昇段できない、という閉塞感を感じたなら、次のステップへ自らを押し進めるチャンスです。 次の大きな目標に向かって、現状を素直に受け入れ、客観的に評価・分析し、目標達成のための課題を見つけ、努力して課題をひとつずつ乗り越えて行く。 その過程を経ることが、能動的な自律学習による自己肯定感という、その子の人生にかけがえのない財産を生み出すのだと思います。

PDF版を見る

新年度にあたり

2022年4月11日

 新年度にあたり、当教室の指導方針について改めて述べたいと思います。
 当教室では長年、暗算に重点を置いた指導を行っています。そろばんを学習した人の暗算は「珠算式暗算」といわれ、学校などで行われる記憶式の暗算の方法と違い、 数をそろばん珠のイメージで頭の中に思い浮かべ、その珠を操作して答えを出す特別な計算方法で、フラッシュ暗算に象徴されるような、 多桁・高速での計算が可能な事が最大の特徴です。
 この珠算式暗算による計算能力は子どもの時に訓練することで獲得でき、一生使うことができるようになります。また、この能力開発はタイミングが重要で、 9歳頃までに訓練を開始しなければ、この能力を獲得することができないと言われています。
 教室としては暗算検定一級合格レベルの暗算力を全員が身に付けて欲しいと願って指導しています。
 しかし、残念ながらこのレベルの能力は簡単に身に付くものではありません。最初はできないのが当たり前です。しかし、練習を重ねると、徐々に、あるいはある日突然、 できるようになってきます。それまでの地道な練習によって、「できない」事に負けない、素直で強い心が育まれるのです。
 そろばん学習は自分自身が覚え・動かなければ正しい答えを導き出すことができない学習です。自ら学ぶ能動的な学習の訓練が、計算力に加え、集中力や忍耐力を培い、 そろばん以外の分野でも自らの能力を発揮することができるようになると言われています。そろばん学習を通じ、子ども達の人生の基礎を築く一助となりたいと思っています。

PDF版を見る

字をていねいに

2022年3月7日

 先日、1月に行われた全珠連検定試験での本部審査の結果を閲覧する機会がありました。 地区や支部審査の段階でも相応の注意を払って審査しているつもりでしたが、本部審査の厳しさを改めて知るとともに、 知らず知らずのうちに、自分の基準が甘くなってきている事に気付かされました。
 そろばんは昔から主にお金に関わる計算に使われてきたことから、全珠連検定試験、特に、段位検定試験では、他と見誤るおそれのあるような、不明瞭な数字や、 コンマ・小数点の向きや位置、訂正の消し残しなどについて、厳格な規定に基づいて審査されます。
 そもそも、数字を含めて、文字というものは他者に何かを伝えるために存在します。他の人が読み誤るような字では伝えるという本来の目的を果たすことができません。 ですから、そろばんでは、正確に伝えられる字を書く事が求められるのです。
 限られた時間の中で計算し、答えを書いているから、急いで速く書いているからというのは、正しく伝えるという目的を果たせない字を書いている理由にはならないのです。 せっかく正しく計算できても、数字が悪くて失点してはもったいないですよね。
 数字を速く正確に書くためには、手首が柔軟に動かせるよう、手や指先に余分な力を加えない事が大切です。 そのためには、正しい姿勢で、適切な筆記具を正しく持つのが最も合理的です。
 しかし、最も大切な事は、本人の自覚です。常に正しい数字が書けるよう、普段の練習での指導を強化して行きたいと思います。

PDF版を見る

バックナンバー